コラム|暮らしのデザイン

住宅のトレンド「職住融合」って?|Part.2

2020/03/02



Part.1で書いた通り、常に決まった場所で働くという考え方から、会社とは離れた場所で働くという考え方にシフトし始めていることに加え、国のテレワーク推進施策が背中を押したことで、どんどんとテレワークを導入する企業が増えています。


それに伴い、コワーキングスペースやシェアオフィス、はたまたスタバなどのコーヒーショップなど、便利の良い場所で仕事をするといった「街なかのオフィス化」や、リビングなどの一角にデスクスペースを設けて、そこで仕事をするといった「家なかのオフィス化」が進んでいます。


そんな働き方が浸透していく中で、実際に働く人の意識や暮らしがどう変わっているのかに触れていこうと思います。



働くひとが、テレワークの環境を整え始めている


リクルートによる「テレワーク×住まいの意識・実態調査2019」の統計では、、

自宅の環境整備実施率/意向として、実際に働くヒトたちの意識がどれほど変わったかを、調査しています。




・調査対象:年齢20歳~64歳/居住地が東京都+関東6県+山梨県+長野県のいずれか/職業が会社員・公務員のいずれか/通勤時間が300分未満を満たすクエストリサーチモニターの男女



この統計によると、テレワークできる環境にすでに整えたという方の割合が、なんと70%!

その他、テレワークの頻度や日数が増えたら整えたいが9%、整えたいとは思わないが21%。

大きく過半数を超えるカタチで、もうすでにテレワークの環境を整えている状況には、少し驚きです。

会社から離れて仕事をするというのは、現実問題、なかなか難しいよね・・とは言いつつも、多くの企業が実施する中で働き方含めたライフスタイルはすでに変化してきているんですね。



では、実際にどんな内容で、自宅の環境を整えたのかの統計をみてみましょう。




先程のデータで、テレワークできる環境をすでに整えている70%の方が、実際にどんなことをしているのか?というと、、

「仕事の資料、PC等の置き場、収納スペースをつくった」
「部屋の一角に仕事用のスペースをつくった」
「モニター/ホワイトボードをつくった」
「仕事用のデスク/椅子を設置した」
...
など、すごく簡易的なデスクまわりの見直しをしているということが分かります。

大胆にやらずとも、いつも暮らしている住空間の一部にデスクをおいて、仕事ができる雰囲気をつくったというところだと思いますが、テレワークで求められていることがそれほど大変なものではないので、これで十分だとも感じますね。





ワークスペース付きマンションも続々と


働き方の変化によって、住空間にプラスαをつくり、ライフスタイルが変わってきている中で、ワークスペース付きの新築マンションなども多くみられるようになってきました。


例えば、、

・Wi-fi環境をつくったり、コピー機やPCディスプレイを常設したワークスペースをつくる。

・専用の鍵を設け、クローズなミーティングや講座ができる共用部・SOHOフロアへの来客対応ができる仕組みをつくる。

こんなコンテンツ付きのマンションなどは、特に今人気があるそうで、時代のニーズを捉えていると言えますね。




郊外への居住を考える後押しに


数年程前から、郊外の市町村の過疎化を懸念して、各地方自治体は空き家などを安く賃貸したり、売りに出したり、また補助金を出したりと、移住者を募るカタチで郊外での生活に興味をもってもらおうと、色々な動きを見せています。

いわゆる田舎に住むことで味わうことが出来るスローライフの魅力というもので、みなさん、一度はこの類のPRの宣伝を目にしたことがあると思います。


そんな中でのこのテレワークの推進と、皆さんの職住融合の考えかたの変化。

当然のことながら、このスローライフという生き方にプラスαを見出し、「いっそ、田舎に暮らしてみるか」という方も増えてきています。



例えば、郊外の海の近くに拠点を構え、趣味のサーフィンを楽しみながら働くという生き方。

今までは、会社までの通勤時間を考えると、働く場所となる会社により近くに住み、日々の仕事/暮らしをスムーズにした上で、週末に趣味を楽しむというライフスタイルだったのが一変。

郊外の海辺の家に住み、家なかオフィスでテレワークをしつつ、趣味のサーフィンを楽しみ日々を暮らしていくというライフスタイルに、、という世帯が徐々に増えているということなんです。


また、都心では待機児童の問題などもあり、郊外のより子育て環境の良いところに暮らしつつ、テレワークなどで働くことでお金を稼ぐという価値観に切り替えた世帯も多くあります。






さらには、週末にはBBQや川下りなどアウトドアライフを送りたい世帯が集まった〇〇タウンなど、コンセプトを共有するカタチで集まる集落をつくり、そこに住むことでより繋がりを持った暮らしの豊かさを追求する世帯もいらっしゃいます。


これらは当然のことながら、郊外に暮らすことで、購入する土地代や借りる賃料も安いほか、日々の物価も押さえられるということも魅力に感じているかたも多いはずです。



テレワークによる世の中の変化や背景、そして暮らしの価値観の変化に触れてきました。

まさに、働き方の価値観の多様化だと言えます。いろいろな生き方を選べる時代、ぜひ、いま一度、皆さんの実現したい暮らしはどんなだったかを振り返り、これからの暮らしの未来を思い切って変えてみてはいかがでしょうか。



デザイン工務店 ウェブマガジン編集部


▼この記事をSNSでシェアする

twitter


カレンダー