建築地は、築30年以上経過したと思われる、切妻屋根の和風住宅が建ち並んだ地区にあったため、古い街並みがつづくこの場所にふさわしい住まいを考えました。また、お施主様がお若いながらも落ち着いた雰囲気でしたので、イメージに合うと考えて、和風でモダンな外観を提案させていただきました。外観は、クールなイメージのグレーを採用し、吹き付けの独特の質感を生かしました。シンプルながら洗練された印象で、周囲の景観とも調和しています。
お施主様とのお打合せを重ねる中で、住まいが日々の生活の場であることを大切にされ、ライフスタイルに合った「機能性」を最優先に求められているように感じました。そこで、玄関を入ってすぐに、シューズクローゼットやパントリーへ直行でき、無駄のない動線と家事のしやすい間取りをご提案しました。使いやすさ、機能性はお施主様の最大のご要望だったので、最も念入りに検討したところです。
リビングダイニングに隣接しているのは、和室です。和室はハレの日だけではなく日常的にも利用できるように、リビング横に設置しています。襖を開け放てばリビングと一体として、広々と利用できるようになっています。引き戸は両面襖となっているので、戸を開放しなくてもリビングに居ながら和の雰囲気を感じていただけます。
リビングダイニングの広い天井は、中央部分を周囲より一段高くとった「折り上げ天井」にしています。単調となりがちな広い天井に変化が出て、開放感が生まれ、空間を広く見せています。また、家の中で特に目にする時間が長いテレビの背面の壁は、日常に華やかさ、豊かさを感じていただけるよう、機能的にもコスト的にも優れたエコカラットを採用しています。
ダイニングの一角には、ピクチャーレールを取り付けました。絵画を鑑賞するのが好きなお施主様の要望を叶えるべく、好きなものを身近に感じていただけるよう、毎食ごとに食事をしながら鑑賞できる場所を設けています。季節や気分によって、飾るものを簡単に入れ替えることができます。
リビングダイニングには、カーテンボックスを設けてあります。部屋の壁と一体となったカーテンボックスは、外光の漏れを防ぐ役目のほか、カーテンレールを隠し、すっきりとしてモダンなインテリアとするのに一役買っています。
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