風景を取り込む家
今回の計画は、昔ながらの住宅が立ち並ぶ路地状敷地に建つ左官職人さんの住宅です。
敷地の北側には、田園が広がり豊かな自然を感じることのできる場所で、南側は路地と民家が立ち並ぶ敷地です。
今回の計画では、内部に外の様な空間をもうけ、それが自然と北側にある田園風景へと溶け込むような豊かな空間ができないかと考えました。
それは、家のどこにいても外の心地よさを味わうことができ、伸び伸びとした穏やかな空気感の漂うそんな家になればと思い計画しました。
和室は、坪庭と外部テラスをガラス一枚で繋げ中と外が入れ子に混ざり合う空間としています。また、玄関から伸びたタイル土間を設けることによりさらに外を演出しています。
リビングでは、キッチンを中心に配置し、
約6mを全開放できる窓を設け外で料理をしているような感覚を味わえることができます。
全開放の窓の外には土間テラスをもうけ程よく光を遮り風の流れを作っています。
こうして、家の随所に外を感じる空間をもうけることにより、自然を感じ心地よさを感じることのできる居場所をつくることができました。
また、施主は左官職人であったため、内壁や外壁、床は左官仕上げをふんだんに使いそれぞれの仕上げや表情を家づくりの過程で打ち合わせを行い丁寧に行いました。
完全には設計せずに家づくりの中からヒントをみつけ一緒につくりあげていく、想い出に残る家づくりができました。